砂漠化を監視する技術(リモートセンシング技術の利用) |
砂漠化を防止するには、どの地域でどの程度砂漠化が進んでいるのかという調査がまず必要です。現在では航空写真の他、ランドサット、ノア、スポット等の人工衛星から送られてくる写真を調べることが、砂漠化の状態を監視するための大きな武器となっています。
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砂の動きを止める技術 |
例1:中国の砂丘固定(林を作り、砂の動きを止める方法)
中国内モンゴル自治区のムウス砂漠では砂漠化に伴い固定されていた砂丘が動き出しました。ここでは動き出した砂を止めるため、植林が行われています。ムウス砂漠は半乾燥地ですが、地下水が豊富で樹木が育ちやすい地域です。植林は動いている砂丘の風上側で、水分条件がよい場所にヤナギの枝を直接挿し木する方法で行われます。ヤナギが根付くとその部分の砂の動きが小さくなります。そしてやがて砂丘全体の高さも低くなってきます。これを何回もくり返すことにより砂の動きが止まってきます。 |
例2:中国内モンゴル自治区の草方格
中国の砂漠では道路、鉄道などの特に重要な場所を移動する砂から守るために、草方格と呼ばれる、よりきめ細やかな緑化が行われています。草方格とは麦わらや木の枝を砂中に押し込み、低いさくを1m×1mのあみ目状に作っていき、砂の動きを抑える方法です。 |
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砂漠化した土地に植物を植える技術 |
植える木の種類を選ぶ 乾燥地の植林ではどのような種類の木を植えるかが最も重要な問題となります。きびしい自然の中で広い面積に植えられた苗木を長期間かけて育てていくには、できるだけお金や手間のかからない方法を考える必要があります。そのためにはまず、現地の厳しい自然条件にあった、乾燥に強い、時には塩に強い木の種類を選ばなくてはいけません。さらに住民の生活を守るためにも、葉が家畜のエサとして利用できる、あるいは果実が食べられる等いろいろな利用が出来る樹種が求められます。またその土地本来の自然を取り戻すには、その土地にもともと自然に生えている植物を利用することが大切です。
乾燥地で木を植える技術(雨水の有効利用) 地下水を利用できない地域で、植林を成功させるためのポイントは、限られた雨水をいかに有効利用できるかにかかっています。 このため、植え付けられた苗木を囲むように半円形またはV字状に盛り土をし、その中を流れる雨水を逃さず地中にしみこませたりします。また一度土にしみこんだ雨水が土の表面から失われるのを防ぐため、苗木の周りに小石を敷きつめたり、砂をまいたりします。さらに苗木周辺の雑草によって水がとらえるのを防ぐため、きちんと草をとります。
空から植物の種をまく 飛行機を使って空から種をまくやり方で、大面積の緑化に効果がある方法です。中国では内モンゴル自治区などの半乾燥地の緑化で多く用いられています。使われる植物はその土地に自生する植物が中心で、ヨモギやマメの仲間の低木や草、マツ類などがよく使われます。種子や肥料などを粘土で包んだ土ダンゴを作り、空からまく場合もあります。
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