2. 今すぐできる対策
盗聴器等を探す前に、今すぐにできる盗聴/盗撮防止対策及びハッキング対策をお話ししておきます。
もし不安に思ったら、即実行してみて下さい。
1)ターゲット
もちろん誰でも盗聴/盗撮のターゲットに成り得ますが、当然ながら優先順位がありますので、おさらいをしておきましょう。
前述の英国マスコミによる盗聴ターゲットは、政治家、王室関係者、芸能人、スポーツ選手、犯罪被害者の家族でした。
すなわち、当然ながら話題性の高い人ほど狙われ易いという訳です。
このためもし自分が、上記に当てはまる様な何か他人と大きく異なる特徴を持っているのならば、常に警戒している必要があります。
ただし上記はマスコミによる組織的な犯罪ですが、個人レベルでしたら狙われる理由はさまざまです。
例えば以下の様な方は、通常より気を付けた方が良いかもしれません。
①最近になって、それまで付き合っていた人と別れた。或いは離婚した。或いは別れたいと告げた。
②宗教団体もしくはそれに類したサークルに入っている(入っていた) 。
③異性関係や交友関係、人間関係でもめている 。
④不倫や浮気をしている(していた)。
⑤金銭絡み、或いは他の理由で人に恨みを持たれた可能性がある。
⑥必然性、偶然性に関わらず、何か重要な情報を持っている。
⑧ストーカーがいる。
⑨自分以外の人に、自分の部屋の鍵を渡した事がある。
⑩身内や知り合いに、詮索好きもしくは変わった人がいる。
⑪自分は目立つタイプである。
いずれにしろ、もし何かしら不安に思う事があったら、躊躇なく行動する必要があります。
2)音を出さない
何だと言われるかもしれませんが、もし盗聴されていると思ったら、先ずは音を出さない事です。
盗聴する側からすると、ある程度のリスクを負って盗聴器を仕掛けたにも関わらず、いくら待っても何も聞こえないというのは、仕掛けられた側から仕掛けた側への最大の攻撃(イヤガラセ)とも言えます。
またどうしても音を出す必要あったら、音楽やラジオを大きめに掛けておけば、会話程度であればマスクできます。
盗聴するためには、盗聴器をただ仕掛けるだけでなく、その後盗聴器の電波を近くで受信する、あるいは録音した盗聴器を回収する作業が必要になりますので、音が拾えないのでしたら、そのうち諦める可能性もあります。
3)部屋を暗くし、怪しいものはカバーで覆う
従来でしたら気を付けるのは盗聴器でしたが、電子機器が発達した今日、むしろ気を付けるべきは盗撮器かもしれません。
ただし盗撮器の場合でしたら、部屋が暗ければ何も映りませんので、部屋を暗くすれば取り敢えず予防できます。
なお一部の盗撮器は、赤外線を照射して暗闇でも画像を映し出す物もあります。
この光(赤外線)は目には見えないものの、デジカメ(携帯のデジカメでも可)やビデオカメラには写りますので、部屋を暗くした状態でデジカメの液晶画面(もしくは液晶ファインダー)を見ながら部屋を一通り見て回る事をお勧めします。
もし赤外線が発光している場合は、暗い液晶画面に光が見えます。
試しにリモコンの発光部をデジカメの液晶画面で見ると、以下の様に(目で見て分からないのに)LEDが発光するのが分かります。

なお上記以外に暗闇でも撮影可能な暗視カメラ(後ほど説明するサーモビュアー)もありますが、価格も高く(安くても数十万円)大きいので、必要以上に心配する必要はありません。
またもし自室において、盗撮カメラがセットされていそうな怪しい場所(カメラを隠し易い場所)があれば、濃い色のカバー(バスタオル、シーツ等)で覆ってしまいましょう。
また外出先ではどこに何が仕掛けてあるか分かりませんので、気になるならば、室内の照明を消せば盗撮を防げます。
またデパートの試着室、トイレといえども全く安心できませんので、照明を消せないのならば、洋服或いはハンカチ等で怪しい箇所(芳香剤、花瓶、ゴミ箱等)を覆う事で防げます。


4)PCやモバイル機器に要注意
盗撮で意外に見落としてしまうのが、PCやモバイル機器(携帯電話、携帯音楽プレーヤ)に付いているカメラです
本体には気が付きながら、実は知らない内に盗撮カメラになっているかもしれませんので、周囲に置かれていたら十分注意しましょう。
モバイル機器については、電源が切れている様に思っても表示だけが消えて稼働している可能性もあるので、レンズを下にして置くか、やはりカバーを掛けるなどしましょう。
また忘れてはいけないがPCです。
最近のラップトップPC、あるいは一体型のデスクトップは全てカメラとマイクを搭載していますので、要注意です。
マイクはともかくとして、自分のPCであっても常にカメラのレンズ部分にはテープ止めしておきましょう。

5)古いコードレス電話を使用しない
最近は少なくなってきましたが、一昔前のアナログコードレス電話の場合、市販のレシーバで簡単に会話を聞く事が可能です。
このためネット等を使って、自宅で使っているコードレス電話が、アナログかデジタルかを確認しておきましょう。
デジタルの場合、音声にするための独自の復調回路が必要ですので、盗聴されないと思って構いません。
ちなみに以下の機種は全てデジタル対応です。
ところで、デジタルにしたら安心だと言いながら申し訳ありません。
実はコードレス電話をデジタルにしても、あるいはコードレス電話でなく昔ながら有線式の電話(黒電話)を使っていても、以下の様に万一自宅の据え置き用電話の電話線に盗聴器が仕掛けられた場合、また盗聴される危険性があります。

自宅の場合、電話回線を辿れば怪しい機器は見つけられるかもしれませんが、それが難しい場合は、むしろデジタル信号で高度な暗号システムが使われている携帯電話の使用をお薦めします。
携帯電話会社もこの部分は最もセキュリティーを強化している部分ですので、たとえ携帯会社の職員であっても携帯電波からの盗聴は不可能と思って良いと思います。
と今までは書いていたのですが、はじめにでも述べました様にアメリカのNSAによって、携帯電話の盗聴が実際に行なわれました。
ただし調べてみた所、盗聴されたのは一世代前の携帯との事ですので、最新の携帯を使っている限りは安心しても良いと思います。
ところで、”携帯電話での話中に自分の話声がスピーカーから聞こえたらと盗聴器があるかもしれない”とのネット記事がありますが、デジタルの携帯電話ではあり得ない事です。
矛盾するかもしれませんが、本記事を含めて全てのネット情報を100%信じてはいけません。
6)無線LAN対策
以前から心配されていながら、ついつい見過ごされてきたのが、無線LANです。
有線のネットワーク接続ですと絶対とは言えないまでも、二重三重にプロテクトされており、余程の事がなければハッキングされる事はありませんが、無線LANからですと比較的に侵入し易いのが実情です。

これで自宅のLANに侵入すれば、最悪PCの中身を覗かれますので、その被害は甚大です。
とは言え、ならば何をすれば良いのか分からないのが実情ではないでしょうか?
そういう貴方は是非以下をやって下さい。



①先ず無線LANを使っている場合は、無線は止めてLANケーブルでPCとインターネット機器(ルータ/ハブ等)に接続する事をお勧めします。
②それができない場合は、ネットを使用しない夜間、あるいは外出時は無線LAN親機(アクセスポイント)の電源を切って下さい。(これだけでもパスワードの解析ができなくなるので、かなりの効果があります)
③さらにもし多少の知識があれば、無線LANのセキュリティーレベルを以下の様により強固な方(右下側)に上げて下さい。
②それができない場合は、ネットを使用しない夜間、あるいは外出時は無線LAN親機(アクセスポイント)の電源を切って下さい。(これだけでもパスワードの解析ができなくなるので、かなりの効果があります)
③さらにもし多少の知識があれば、無線LANのセキュリティーレベルを以下の様により強固な方(右下側)に上げて下さい。

古い機器ほど左上の暗号機能しかありませんが、最近の無線LANでしたら、一番右上の”⑥WPA2+AES”の設定が可能だと思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。
なお最新機器であっても、知らずに一番設定が簡単なWEPで接続している可能性がありますので、ご注意願います。
④また同時に無線LANのパスワードは、例えば以下の様に、長くて(制限一杯で)ランダムなものにして下さい。