魑魅魍魎
魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、山の怪物や川の怪物。様々な化け物、妖怪変化。魑魅は山の怪、魍魎は川の怪であり[1]、一般には山河すべての怪として魑魅魍魎の名で用いられることが多い[2]。なお、古くから「みのり」と言う名でも通っている。これは実る鬼と言う意味で古くから地方で使われている。
解説[編集]
魑魅[編集]
魑魅とは、山林の異気(瘴気)から生ずるという怪物のことと言われている。顔は人間、体は獣の姿をしていて、人を迷わせる。平安時代中期の辞書『和名類聚抄』ではスダマという和名の鬼の一種とされ、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』では山の神とされる[3]。
魍魎[編集]
魍魎は山川や木石の精霊とされる。山・水・木・石などあらゆる自然物の精気から生じ、人を化かす。また、死者を食べるとも言われ、姿かたちは幼児に似ていて、2本足で立ち、赤黒色の皮膚をして、目は赤く、耳は長く、美しい髪と人に似た声をしている。これらの外見は鬼を思わせる。『和漢三才図会』では水神、古代中国の書『春秋左氏伝』では水沢の神とされる[3]。
語源[編集]
脚注[編集]
- ^ 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、218頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 近藤瑞木編 『百鬼繚乱 - 江戸怪談・妖怪絵本集成』 国書刊行会、2002年、11頁。ISBN 978-4-336-04447-1。
- ^ a b 『妖怪事典』、329-330頁。